お仕事とそうではないもの。

社会人5年目の仕事で感じたこととそうではないことのメモ代わり。

手段と目標

外部の研修を受講してきた。
その研修は、就職活動の時の採用イベントを社会人向けに、より専門的にしたようなもので、各企業における制度や文化、成功事例の手法を説明、あるいは紹介するという趣旨のものだった。
イデアベースで進めている仕事に行き詰まりを感じて、少しでもヒントを得るため、藁をも掴む思いで受講を希望したのだ……というのは流石に言い過ぎだけど、次の一歩につなげるためのヒントを、何でもいいから持ち帰りたかった。

恐らく、明日上司から感想を聞かれると思うので、ある程度まとめておきたい。

まず、一番に思ったことはなによりも視野が広がった。
弊社はカンパニー制の導入された縦割り組織で、カンパニーごとに異なる文化があるため、社内でも「他者」若しくは「他社」に当たる組織はたくさんあるのだけど、やはりそうは言ってもどこも同じ組織である。
商材も風土も規模も売上高も全く異なる他社における類似事例を聞くことで、自分の組織や仕事のあり方を相対化する視点が得られた、というのが最も価値ある点だと思った。
日々なんとなく当たり前になりつつあった今の担当業務が、いかに弊社特有の状況のなかで作られたものなのかを再認識したし、その前提となる目標設定や現状分析の甘さを、他社と比較をすることでまざまざと思い知った。
特に後者かな。気がつけば目標設定が曖昧なまま、手段が目標にすり替わっていたと思う。これは弊社ではよくある話だけど……
それでも、なんとなく評価される弊社の甘さ、ぬるさも改めて感じた。ちゃんとした現状分析をせず、ポートフォリオも作成しないから、明確な数値目標を立てられず(もしかしたら敢えて立てず、なのかもしれない)、頑張れば結果が出なくてもそれ相応に評価される。仕事を作りさえすれば、目標設定が甘くても、目標を達成しなくても、まずは高評価だ。
最悪、失敗してもいい。次の担当が、前任者のやり方を批判しながら、頑張っても目標には達成しきれていない理由(例えば時流の変化とかね)を立てて、最後は金で解決すればいい。その解決策を生み出したこと、それでまた評価されるんだから。
目の前の危機に真っ向から対峙せず、のらりくらりと逃げ切っても結局なんとかなってしまう。全てが曖昧なまま、ただ一生懸命ならそれでいい。上手く行かなくたって、自分がリストラされるわけでもないし、金を余計に使ったって、会社が潰れるわけでもない。そうみんなが思っているから危機感なんて生まれないのだ。
ああ、確かにこんなに素晴らしい商売は他に無いだろうと思った。
そういう世界に私は身を置いているのだと気付かされた。それがまたショックだった。いつの間にか、そんな世間離れした感覚が、私の普通になっていたことに衝撃を受けた。

現在担当する業務は、これもまた世間に一回り遅れだが、かつてかしましく言われていた「グローバル化」が絡んでいる。これについても、弊社が目指すグローバル化は一体何を指すんだろう、ということを再度疑問に感じた。
これも上の話と同じで、やはりグローバル化に具体的な数値目標(社員の何人がTOEIC何点以上を達成する、とか)が伴っていないことが原因である。単純に「恐らくこの先グローバル化が必要だよね。今ってそういう空気感だよね。一般的にビジネスで英語が必要って言ったらとりあえずTOEIC何点くらいかな?」といった肌感覚だけで仕事をしているから、なんとなく納得しにくいのだ。
目標設定に一切数字が出てこないし、何を根拠にその問題意識が端を発したのかも分からない。あるいは、本当にその仕組みづくりが必要とされる現場のイメージが付かない。
それは私自身が役職の付かない一担当だからかもしれないが……それにしても、実務部隊の担当ですら、自分の仕事の目指す姿がよく分からない、そういう空気感、そういうものなんだ、という思い込みで仕事をしているなんて、凄い組織だなと思った。そりゃ恐らくその肌感覚はある程度間違っていないけれど、なんとなく空気感だけで、具体的なイメージがないからこそ、実施の方向性が定まらないのだ。そしてそれを我々はいつも愚痴っている。「この事業は、明確な目標をなんて誰も分からないんです。なんとなくそういう、グローバル化が必要だろうって、そういう空気感の共有で動いているんです」。そして最後に出てくるのは、「これだから「お上」は」。要は関係他部署の愚痴ですね。わろす。いや、全く笑えない。
ある意味、それでも差し迫った危機を迎えないというのは平和なんだろうし、幸せでもあるのだろう。
それでも会社が回るなら、それはそれでいいのかもしれない。

でもどうなんだろう。この甘さが続くと、いずれどこかで破綻するんじゃないだろうか。
初めて明確な、形ある危機感を覚えた。ここで、このままで、私、大丈夫だろうか……